プログラム
日本産業看護学会 第8回学術集会
開催日 2019年10月26日(土)・27日(日)
場 所 関西医科大学 医学部棟 大阪府枚方(ひらかた)市新町2-5-1
当日の内容はこちらです。
大会テーマ | 「ダイバーシティの実現に向けた産業看護の力」−すべての人の多様な働き方を支えるために− |
10月26日(土)12:00〜12:20
大会長講演 | ダイバーシティの実現に向けてーすべての人の多様な働き方を支えるためにー座長 松本泉美 畿央大学健康科学部看護医療学科 教授 演者 三木明子 関西医科大学看護学部 精神看護学領域 教授 |
10月26日(土)12:20〜13:20
基調講演 | 多様な働き方を目指してー職場を支え、自分も支えるー座長 三木明子 関西医科大学看護学部 精神看護学領域 教授 演者 井上幸紀 大阪市立大学大学院医学研究科 神経精神医学 教授 |
『働き方』に注目が集まっています。職場の求める働き方には様々な目標、社会環境、慣習などが影響し、労働者の働き方にも各自の価値観や性格、周囲環境などが影響します。時代の変化に合わせ、職場も労働者も適応的で多様な変化が求められます。多様化する働き方の中で、労働者がどのように健康的な適応を目指すのか、精神科医の立場から考えてみたいと思います。
10月27日(日)13:10〜14:40
メインシンポジウム | 変革の時代をしなやかに乗り切るために必要な産業看護職の力ー産業看護職に求められるコンピテンシーを考えるー座長 河野啓子 四日市看護医療大学 名誉学長 座長 磨田百合子 株式会社日立マネジメントパートナー 演者 島忍 東京地下鉄株式会社人事部健康支援センター 演者 大島桐花 株式会社NTT データ人事本部人事統括部健康推進室シニアエキスパート 演者 宇都宮千春 三菱ケミカル株式会社人事部健康支援グループ 演者 サトウ菜保子 日本航空株式会社人財本部健康管理部 |
【島忍】
・今回は、私が現事業所での健康づくり体制の構築(健康に対する社内の意識改革)に、どのように取り組んできたのか紹介する。参加されている産業看護職の皆さんのこれからの活動の力・自信につながればと思う。
【大島桐花】
・経営トップからメンタルヘルス不調者への抜本的な対策を求められ、応えるために健康管理組織そのもののを分離し再構築するまでのプロセスを通して産業看護職に求められるコンピテンシーを探る。
【宇都宮千春】
・会社統合前は、各社で産業看護職の役割・活動内容等も異なっており活動範囲も狭かった。統合後は、産業看護職が様々な活動・施策にも参画できるように、職制・産業医など周囲へ働きかけた活動・内容について紹介する。
【サトウ菜保子】
・日本航空株式会社は、2010年1月に経営破綻しました。事業縮小、大幅な人材整理は、健康管理部にも及び、自らの足元も揺れる中、経営再建のために最も大事な「社員の健康」に注力してきた歩みをお話しします。
10月26日(土)13:30〜14:50
シンポジウム1 | 産業看護職による多様な職場での産業保健活動の実施と連携座長 畑中純子 四日市看護医療大学 教授 座長 益江淑子 株式会社健康管理室 代表取締役社長 演者 松本泉美 畿央大学健康科学部 看護医療学科 教授 演者 太田由紀 JA北海道厚生帯広厚生連病院総務課 演者 森田理江 関西医科大学看護学部 地域看護学領域 助教 演者 村田理絵 京都工場保健会産業保健推進部保健指導課 課長 |
【松本泉美】
・産業看護職の働く場の多様化の現状を示し、それに伴う活動や役割の変化を通して、
今後求められる産業看護活動への期待について述べる
【太田由紀】
・人命に向き合う現場で、医療従事者は健康と安全を脅かす要因にさらされている。今回「院内暴力対策と職員間ハラスメント対策」や、医療・介護分野の課題である「腰痛予防対策」について当院での取組みをご紹介する。
【森田理江】
・産業医が常勤でなく、産業看護職がひとりで働くことの多い職場では、判断や対応に迷う場面も少なくない。社内外のリソースといかに協働しながら、看護職の自律性や専門性を高められるかについて考える機会としたい。
【村田理絵】
・京都工場保健会の産業看護職は、様々な業種、規模の事業場に月1~2回程度訪問し、産業保健活動を展開している。本シンポジウムでは高齢者・若年者・障害者が多い職場における産業保健活動の実際をいくつか紹介する。
10月26日(土)16:00〜17:20
シンポジウム2 | 多様な人を支えるための支援の方略座長 安田照美 関西医科大学 法人理事・統括看護部長 座長 佐々木美奈子 東京医療保健大学 医療保健学部看護学科 教授 演者 藤吉奈央子 Harmony ~Life&Work~ 代表 演者 佐久間博子 関西医科大学附属病院 副師長 演者 神山欣子 社会福祉法人聖徳園人材開発室 室長 演者 小川貞子 NPO法人 kokoima 理事長 |
【藤吉奈央子】
・がんを理由に離職を防ぐだけでなく、がんを抱えながら無理なく働き続けるために、産業看護職として出来る事は何か、
一緒に考えるきっかけとなれば…と思います。
【佐久間博子】
・がんとその治療は、仕事を含めた人生に大きな影響を与える。生き甲斐である仕事への復帰と、命に関わる治療選択の狭間で揺れる若年がん患者へのかかわりから支援のあり方を振り返り検討したい。
【神山欣子】
・訪問看護の利用者は医療ニーズの高い人、がん末期、認知症の人、精神疾患を持った人、
小児(超重症児・準超重症児・医療定期ケア児)、一人暮らし・高齢者世帯などです。家族を含めて生きることを支援しています。
【小川貞子】
・堺区香ヶ丘町を「まち場(まちの居場所)」として活動しています。まちの人たちと日常的に触れ合える場は、互いを気づかう関係性を育み、障害のある・なしが自他の区別ではなくなりつつあるように感じています。こうした日常活動を報告します。
10月26日(土)15:00〜16:00
特別講演1 | ダイバーシティ&インクルージョン座長 中尾由美 中尾労働衛生コンサルタント事務所 ワーク&へルス 代表 演者 大西裕美 マーキーズ ヘルスコンサルティング 代表 |
「ダイバーシティ」を推進していくためには「インクルージョン(包括・受容)」の推進も同時に行うことが重要です。多様性だけでは組織の発展や活性化にはつながりません。インクルージョンについても理解を深め、産業の現場で活かしていくために必要な環境や専門職としてのコンピテンシーを探っていきたいと考えています。
10月27日(日)9:00〜10:00
特別講演2 | 人生100年時代の産業看護職に求められる役割と展望ー生活習慣病予防の観点から「働き続ける」を実現するー座長 松本眞由美 JXTGエネルギー株式会社 演者 野口緑 大阪大学大学院 医学系研究科公衆衛生学 招へい准教授 |
人生100年時代、定年延長と労働者の高齢化はすぐそこまで来ています。「あるべき論」の伝達だけでない効果的な保健指導は労働者自らのリスク管理を実現させます。「働き続ける」を支援する新たな役割を皆で考えます。
10月27日(日)11:10〜12:10
特別講演3 | がん・不妊治療と就労・生活の両立支援の未来のかたち座長 西内恭子 梅花女子大学大学院看護保健学研究科 特任教授 演者 遠藤源樹 順天堂大学医学部 公衆衛生学講座 准教授 |
順天堂大学公衆衛生学講座・産婦人科学講座と全国の不妊治療を専門とする複数の医療機関との共同研究班J-FEMA Study(Japan-Female Employment & Mental health in ART:研究班代表:遠藤源樹)を2017年11月に立ち上げ、2018年8月から日本で初めて、全国の不妊治療専門の医療機関での実態調査を開始した。講演では、J-FEMAスタディの研究結果と、不妊治療と就労の両立支援のポイントをお話したい。
10月26日(土)15:00〜16:00
教育講演1 | 子育て世代の社会経済的格差と女性の就労ー貧困の世代間連鎖の現状ー座長 田中希実子 NTT東日本健康管理センタ 看護部長 演者 酒井ひろ子 関西医科大学看護学部母性看護学領域 教授 |
厚生労働省の国民生活基礎調査結果では、日本は米国、中国に次ぐ世界第3位の経済大国でありながら、7人に1人の子どもが貧困状態にあります。子ども貧困は発達の諸段階における様々な機会を奪い、生涯に渡り不利な影響をもたらし連鎖を断ち切ることが難しい社会問題です。社会経済的格差が次世代へ及ぼす健康格差そして貧困家庭における生活や女性の就労の実際から課題や対策についてお話します。
10月27日(日)10:05〜11:05
教育講演2 | 在留外国人労働者と介護をめぐる現状と課題座長 鳥羽山睦子 聖隷福祉事業団保健事業部保健看護管理室 顧問 演者 李錦純 関西医科大学看護学部 在宅看護学領域 准教授 |
日本で暮らす在留外国人は約256万人、その約17万人が65歳以上である。高齢化の進展により、多様な国籍や在留資格、文化を有する外国人の介護問題が顕在化しており、介護する家族の離職や健康問題も課題となっている。改正入管法の成立に伴い、介護分野で最大6万人の外国人労働者の受け入れを見込む現在、当該分野のケア提供者・受領者双方におけるダイバーシティの現状と課題を提示し、健康支援のあり方について考察する。
10月26日(土)13:30〜14:30
ワークショップ1 | 自分らしく働くためのWellness Recovery Action Plan(WRAP)の活用WRAPファシリテーター 矢山壮 関西医科大学看護学部 精神看護学領域 講師 WRAPファシリテーター 的場圭 関西医科大学看護学部 精神看護学領域 助教 サポーター 川崎絵里香 関西医科大学看護学部 精神看護学領域 助教 サポーター 手嶌大喜 関西医科大学総合医療センター |
Wellness Recovery Action Plan (WRAP)とは元気回復行動プランと呼ばれており、毎日自分らしく元気でいるために、日頃自分が出来る工夫を上手に使いこなすタイミングを教えてくれるシステムです。ワークショップではWRAPを作り、自分らしく元気になってもらう体験をしてもらいます。「WRAPを始める!―精神科看護師とのWRAP入門」の著者、藤田茂治氏もファシリテーターとして参加されます。
10月27日(日)9:00〜9 : 50
ワークショップ2 | 研究委員会企画【福田笑子研究助成基金交付者と辿る研究のプロセス】座長 後藤由紀 四日市看護医療大学 准教授 座長 猪股久美 帝京平成大学ヒューマンケア学部 准教授 演者 吉田麻美 東北電力株式会社女川原子力発電所総務部 演者 山本由加里 東京医療保健大学医療保健学部 演者 小野郁美 株式会社NTTデータ人事本部 演者 高波利恵 活力職場研究所 |
【吉田麻美】
・研究計画書のキモ:文献検討と緒言の書き方
【山本由加里】
・研究方法の書き方のコツ
・研究成果のまとめ方と伝え方
【高波利恵】
・現場での研究成果の活用法
10月27日(日)10:00〜11:00
トークセッション | 職場におけるメンタルヘルスとLGBT/SOGI
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弊団体では2015年よりLGBTと職場環境に関するアンケート調査を実施している。本調査でLGBT等の性的マイノリティであることが、働きやすさやメンタルヘルス等に大きく影響することがわかっている。また自殺総合対策大綱においても、自殺念慮の割合等が高い層であると指摘されており、今や、知っておかなければならないトピックになりつつある。今回はトークセッションという比較的フランクな場で、みなさんと一緒に考えを深めたい。
10月26日(土)16:10〜16:40 / 16:50〜17:10
10月27日(日)9:00〜9:45 / 9:55〜10:40
10月27日(日)11:10〜13:00
ランチョンセミナー1 | 送電線の電磁波って危ないの?−WHOの見解を紹介します−演者 大久保千代次 一般財団法人電気安全環境研究所電磁界情報センター 所長 |
送電線や生活家電などから発生する電磁波の健康への影響について、ネットでは真偽があやふやなまま、健康へのリスクが取り沙汰されることがあります。今回は、そんな電磁波に不安や疑問を持つ方に少しでも理解を深めていただくため、電磁波の健康影響に関する知識と国内外の最新情報について、世界保健機関(WHO)などの科学的見解をわかりやすくお伝えします。
10月27日(日)12:10〜13:00
ランチョンセミナー2 | 産業看護アセスメント研修会『集団、組織のアセスメント能力を高める-産業看護アセスメント研修会-』
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アセスメントの基本、集団・組織のための産業看護アセスメントツールの解説に加え、 ツールを活用した実践的なアセスメント能力習得のためのワークを行います。
10月27日(日)15:00〜16:30
ナーシング サイエンスカフェ | 公開講座【はたらく人を支える産業看護現役産業看護職が伝授 産業看護職の仕事とは?】*ナーシングサイエンスカフェは高校生・看護学生向けのプログラムです(要Web 申込)。学術集会参加者は事前申し込み不要で、会場にお入りいただけます。 |