看護基礎教育での産業看護学教育の重要性

わが日本産業看護学会は、看護専門職を目指すすべての学生さんに、産業看護学を学んでほしいと願い、看護基礎教育に産業看護学を位置づける努力を重ねています。それは看護の質につながると考えるからです。そのことを裏づけるうれしいことがありましたので、報告します。

私は神奈川県内の大学で産業看護学の講義をしていますが、ある日のリアクションペーパーに、看護基礎教育で産業看護教育を実施する意義を裏づける内容を書いてくれた学生さんがいました。本人の了解を得て、原文のまま以下に記します。

「病院実習に行くと、生活習慣病の患者さんを受け持たせてもらうことが多いです。しかし、病棟の患者さんを見るときは、私病という枠組みでアセスメントを組み立てていました。今思い返してみると、その患者さんは私病ではなく、作業関連疾患であったといえます。その理由は、その患者さんは長時間労働など職業上の影響で病気になった方だったからです。産業看護の視点からアセスメントできれば、もっと生活に即した効果的な看護計画を考えることができたのではないかと悔やまれます」



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